一言でいうと
教員と子どもが1対1で行う指導です。 特に学習につまずきの大きい子に対し、短期集中で行うと大きな効果が得られることが知られています。
なぜ効果があるのか
1対1の場面では、その子の理解度・つまずきの場所・思考の癖がはっきり見えます。 また、子どもも自分のペースで質問できます。 集団指導では拾いきれない情報のやり取りが、短時間で可能になるのが個別指導の本質です。
日本の小学校で取り入れるヒント
- 放課後や朝の時間に、つまずきの大きい子と短時間(10〜15分)の個別の時間を持つ
- 「教える」より「その子の考え方を聞く」ことを意識する
- つまずきの根本(どこで分からなくなったか)を一緒に探る
- 短期間(数週間)で集中的に行い、長期化させない
- 子どもが「特別扱いされている」と感じすぎないよう配慮する
研究からわかっていること
- 平均的に、学習は約5ヶ月分前進します。
- 短期間(8〜12週間)の介入で大きな効果が出ることが示されています。
- 効果は、指導者の専門性が高いほど大きくなります。
注意したいこと
- コストが大きく、すべての子に提供することは現実的ではありません。優先順位の設計が必要です。
- 指導時間外に行うことが多いため、教員の負担が増えやすいです。
- 個別指導を受けた子が学級に戻った時、孤立しないよう学級経営との接続が重要です。
主な参考研究
- Bloom, B. S. (1984). The 2 sigma problem. Educational Researcher, 13(6), 4–16. — 1対1の個別指導の効果量が2σ(平均の学生が上位2%に到達)であることを報告。
- Nickow, A., Oreopoulos, P., & Quan, V. (2020). The impressive effects of tutoring on preK-12 learning. NBER Working Paper 27476. — 96件のRCTを分析。チュータリングの平均効果量d=0.37。特に読みの指導で効果が大きい。
- EEF (2021). One to one tuition: Evidence review. — 個別指導の効果量+5ヶ月。短期集中(8〜12週)の効果が高いことを報告。
関連する学習指導要領
- 小学校学習指導要領解説 総則編 — 「個に応じた指導の充実」で、補充的な学習や発展的な学習の取り組みが示されています。個別指導の位置づけに関連します。